赤沢温泉プレジャーリゾート伊豆赤沢温泉「プレジャーリゾート伊豆赤沢温泉」内にある、相模湾の水平線と一体化するようなインフィニティ露天風呂

伊豆赤沢温泉は、駅から遠いところにある

最寄りの伊豆急行「伊豆高原駅」から、無料送迎バスで約15分。
電車一本では着かない。
車なら、伊豆スカイライン天城高原ICから約20分、13キロ。

駐車場は無料で160台。
広い。

温泉施設というのは、だいたい「少し遠い」ものだ。
広い土地が必要だから、駅から離れる。
駐車場がないと成立しないから、郊外に行く。

伊豆赤沢温泉は、その常識の内側にある。
むしろ、その常識を体現した施設だと言っていい。


立地という「構造」の話——遠さが価値になる場合

不動産の仕事を三十年以上続けてきた。
その経験から言うと、立地は「行動コスト」を決める。
だが、行動コストが高いことが、必ずしも欠点になるとは限らない。

都心の温泉施設は「駅から近いこと」で価値を作る。
一方、リゾートは「たどり着くまでの距離」で価値を作る。
移動そのものが、日常からの切り替えスイッチになるからだ。

25万平方メートルを超える敷地。
その広さは、駅前では絶対に成立しない。
敷地面積の大きさと、駅からの距離は、ほぼ比例する。
赤沢はその関係を、そのまま体現している。

ここに来るには、時間を確保しなければならない。
「ついでに寄る」場所ではない。
それが、この施設の立地が持つ意味だと思う。


温泉は「その場にある」

なごみの湯のように、遠方から汲み上げて運んでくる施設とは違う。
赤沢は、赤沢という土地そのものに湧く温泉地——「赤沢温泉郷」の中にある。

泉質はカルシウム・ナトリウム-塩化物・硫酸塩温泉。
神経痛、筋肉痛、冷え性、慢性皮膚病などへの効能が謳われている。
興味深いのは、同じ赤沢温泉郷の中でも、赤沢日帰り温泉館と隣接する赤沢温泉ホテルとで、源泉が異なる点だ。
泉質も泉温も浸透圧も、別物になる。

大浴場は3階と4階の2フロア。
幅25メートルの「眺望露天風呂」と、赤沢の赤石で組まれた幅20メートルの「展望露天風呂」があり、日替わりで男女が入れ替わる。
内湯にはジャグジー、寝湯、サウナ2種類。

水平線と湯船の境目が消える。
その開放感は、都心の温泉施設では再現できない種類のものだ。
広い土地と、海に面した立地があって、初めて成立する景色になる。


タオルと館内着が「有料」である意味

赤沢日帰り温泉館には、なごみの湯とは逆の料金構造がある。

入館料に、タオルも館内着も含まれていない。

レンタルタオルはバスタオル・フェイスタオルで200円。
館内着レンタルは400円。
漫画・雑誌が読める「海のねころびラウンジ」やプレイラウンジ、温暖浴は、追加500円の有料エリアだ。

一見、なごみの湯より不親切に見える。
だが、この施設は日帰り客だけを想定していない。
77室の温泉ホテル、15室の迎賓館、宿泊者向けの館内着・タオルは別体系で用意されている。
日帰り入浴は、あくまで宿泊施設群の一部という位置づけだ。

すべてを込みにしないことで、日帰り客の入館料そのものを低く抑えている。
平日1,400円という価格は、この規模と眺望を考えれば、決して高くない。
足りないものだけ、その場で買い足す。
それが、この施設の設計思想だと思う。


調整に使えるか

この施設を「調整に使える温泉」として評価するなら、
答えは「日帰りでは条件付き、宿泊なら明確にYES」だ。

年末年始・ゴールデンウィーク・夏期などの繁忙期は、平日でも土日祝料金が適用される。
この時期の大露天風呂は、静かに整える場所というより、家族連れで賑わうレジャー施設になる。

調整に使うなら、平日、かつ繁忙期を外した時期の午前中がいい。
開館の10時から午後にかけては、まだ空いている時間帯が多い。
18時以降は「ナイトタイム料金」に切り替わり、価格も下がる代わりに、夕方以降の空気に変わる。

そしてもうひとつ。
この施設は、日帰りで「行って帰る」よりも、宿泊して一泊で「整える」ほうが向いている。
2025年12月には赤沢温泉ホテルの大浴場・客室が大規模リニューアルされ、2026年4月27日には敷地全体が「プレジャーリゾート伊豆赤沢温泉」としてグランドオープンした。
もともとDHCが会員制リゾートとして開発した施設だが、2024年12月にカトープレジャーグループが経営権を取得し、今の姿に生まれ変わっている。
投資が入ったばかりの施設は、しばらくの間、状態がいい。


目的地である、ということ

帰り道にある温泉と、目的地として行く温泉は、少し違う。

帰り道にある温泉は、選択肢だ。
その日の終わりに、入るか入らないか判断できる。

目的地として行く温泉は、決断だ。
行くと決め、時間を空け、距離を越えて向かう。

伊豆赤沢温泉は後者だと思う。

仕事に区切りがついた週末、
誰にも会わずに一日を海の前で過ごしたい日、
近場では届かない場所まで、あえて距離を取りたい夜——

そういうときに、車を出すか、伊豆高原駅で送迎バスを待つ。

幅25メートルの露天風呂に浸かり、
水平線を眺め、
また日常に戻るための距離を、ゆっくり歩いて帰ってくる。

その「戻ってこられない距離」感覚が、この施設の本質だと思う。
調整とは、日常の中に余白を作ることだけではない。
ときには、日常から意図的に離れることも、調整のかたちだ。


基本情報

項目内容
名称赤沢日帰り温泉館(プレジャーリゾート伊豆赤沢温泉)
運営株式会社プレジャーリゾート伊豆赤沢温泉(カトープレジャーグループ)
住所静岡県伊東市赤沢字浮山163-1
アクセス伊豆急行「伊豆高原駅」南口より無料送迎バスで約15分 / 伊豆スカイライン天城高原ICより約20分(約13km)
営業時間10:00〜22:00(最終入館21:00)
入館料(平日・日帰り入浴のみ)大人 10:00-18:00 1,400円 / 18:00以降 1,000円 子供 700円 / 500円
入館料(土日祝・繁忙期)大人 10:00-18:00 1,700円 / 18:00以降 1,300円 子供 1,000円 / 800円
タオル・館内着入館料に含まれず、別途レンタル(タオル200円、館内着400円)
有料エリア海のねころびラウンジ/プレイラウンジ/温暖浴:+500円
泉質カルシウム・ナトリウム-塩化物・硫酸塩温泉
大浴場3F・4Fの2フロア、日替わりで男女交替(眺望露天風呂 幅25m/展望露天風呂 幅20m)
内風呂設備ジャグジー、寝湯、サウナ2種類
駐車場無料(160台)
その他2025年2月1日より入れ墨・タトゥー(ボディペイント含む)がある場合は入館不可(施設基準による例外あり)
公式サイトhttps://www.izuakazawa.jp/spa-health/higaeri-onsen/

※料金・営業時間は変更になる場合があります。最新情報は公式サイトでご確認ください。

この記事は、「調整に使える温泉」という観点で整理しています。
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投稿者 k.hayama

温泉巡りと不動産の仕事を通じて感じたことを記録するブログ。伊豆・関東近郊の温泉、調整に使える場所、判断の話を静かに書いています。

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