この記事では上会津屋の温泉を
日帰り温泉としての使いやすさの視点で紹介します。
泉質、混雑、施設、アクセスなど
実際の体験をもとにまとめています
――静かに効いてくる、長く使える温泉宿
はじめに|名前に惑わされる場所
「上会津屋」という名だが、
場所は栃木県・塩原温泉郷にある。
実は私も最初、
近所の「会津屋」に間違えて入ってしまった。
宿でその話をすると、
塩原街道は西へ進むと国道121号線となり、
会津若松を抜けて米沢まで続く道であること、
そのため塩原温泉郷に「会津」の名を冠した宿が
いくつもあるのだと教えてもらった。
このあたりからすでに、
土地と時間の積み重なりを感じさせる。

塩原温泉郷という場所
塩原温泉郷は、
11の地区に分かれ、泉質もそれぞれ異なる。
👉️コラム 塩原温泉郷という「温泉の集合体」
大網、福渡、塩釜、塩の湯、畑下、門前、古町、
中塩原、上塩原、新湯(あらゆ)、元湯。
上会津屋があるのは 古町温泉。
泉質は
ナトリウム・カルシウム-塩化物・炭酸水素塩泉。
無味無臭、透明。
刺激は少ないが、
身体にじわじわと染みてくるタイプだ。
飲泉という体験
宿の入口にある源泉には、
紙コップが置かれている。
「飲んでよい」と書かれていたので、
試しに飲んでみた。
味も匂いもほとんどなく、
正直、飲んだ瞬間に
何かが起きる感じはしない。
ただ、家内は翌朝、
軽く当たったようだと言っていた。
幸い軽症だったが、
旅先で具合を崩されると、
こちらの行動も制限される。
飲泉は、
体調を見ながら自己責任でが無難だろう。
成分を調べてみると、
特徴的なのはメタケイ酸。
いわゆるシリカ系で、
胃の粘膜を保護する作用があるとされる。
江戸末期創業、
明治28年には国木田独歩も泊まったという宿。
かつては口コミだけを頼りに、
人々がこの地を目指した。
今はシリカ水をネットで簡単に買える時代だが、
その源流に直接触れる体験は、
やはり別物だ。

宿と湯の感触
宿の目の前には清流・箒川が流れる。
せせらぎと渓谷、
派手さはないが落ち着いた景色。
源泉かけ流しの湯は、
入る時間や気候で温度がかなり変わる。
私が入った印象では、
夜中はかなり熱く、
朝方はややぬるめ。
こういう変化を含めて、
自然の一部としての温泉だと感じる。
プランによっては、
渓谷を望むテラス付きの専用サウナや、
専用風呂付きの客室もあるようだ。



2026年の紅葉時期に訪れた際は、
カメムシが大量発生しており、
室内にはガムテープが置かれていた。
二匹ほど、そっと捕獲して外へ逃がした。

これもまた、
山の宿らしい出来事だ。
塩原での湯めぐりの考え方
塩原温泉郷は泉質が多彩だ。
日帰り温泉も点在している。
複数回るなら、
薄い泉質から、濃い泉質へ
というのが基本とされる。
たとえば、
- 上会津屋(炭酸水素塩泉)
- 田中屋(硫酸塩泉)
という順番は、
身体への負担が少なくおすすめだろう。
周辺の過ごし方
宿の隣には塩原温泉観光協会の土産物屋があり、
その2階にあるカフェレストラン
「ランプ(洋燈)」からは、
箒川と対岸の山並みを望める。
紅葉の時期には、
ススキ、清流、モミジの組み合わせが美しい。



徒歩圏には、
源有綱終焉の地「源三窟」もある。
国道121号線は、
有綱が義経を頼って北上したルートと重なる。
当時の旅の厳しさを思うと、
現代の移動の容易さが際立つ。
また、源三窟と上会津屋の中間には
行列のできる「こばや食堂」がある。
スープ入り焼きそばで知られ、
那須の道の駅でも見かけるが、
ここが本店らしい。
ライダーの目的地にもなっている。



長く使える温泉
上会津屋は、
派手な温泉ではない。
だが、
繰り返し使える温泉だ。
刺激が少なく、
静かで、
土地の時間がそのまま残っている。
強く整えるというより、
崩れない状態に戻す。
そんな調整の仕方が、
ここにはある。
■ 温泉メモ
■ 温泉メモ
・施設名:上会津屋
・所在地:栃木県那須塩原市塩原
・温泉地:塩原温泉郷・古町温泉
・泉質:ナトリウム・カルシウム-塩化物・炭酸水素塩泉
・特徴:無味無臭・透明、刺激少なめ
・源泉:かけ流し(温度変化あり)
・向いている人:
静かに長く整えたい人
湯めぐりの拠点にしたい人
この温泉は、「調整に使える温泉」という観点で整理しています。
▶ 調整に使える温泉|完全ガイド
